ラボプロジェクトとなった「Real Baby – Real Family」がACM SIGGRAPH Awardを受賞
IVRCに挑戦した3年生による “VR赤ちゃん”「Real Baby – Real Family」、2017年よりラボプロジェクトになり国際賞を連続受賞
神奈川工科大学の学部3年生によるチーム「明るい家族計画」(代表・情報メディア学科 3年 望月宥冶)が開発したVR赤ちゃんプロジェクト「Real Baby – Real Family」は、2016年10月に行われた第24回国際学生対抗VRコンテスト(IVRC2016)にて100作品中唯一となる国際賞「Laval Virtual Award」を受賞しました。
その後、プロジェクトの多くのメンバーが白井研究室へ配属希望し仮配属となった事から、2016年12月より正式にラボプロジェクトとなり、白井准教授が及び看護学科で新生児看護学を担当する青木助教が監修に参加しました。
その後、2017年3月22-26日に、受賞によって招待された欧州最大規模のVRフェスティバル「Laval Virtual 2017」(フランス・ラヴァル市)において展示発表及び口頭発表、パネルトーク参加を行いました。
さらに、Laval Virtual Awardsにおいて、世界最大かつ最も歴史あるCG/インタラクティブ技術の国際会議である「ACM SIGGRAPH」より「ACM SIGGRAPH Award」を受賞し、2017年7月に開催される「SIGGRAPH 2017」(アメリカ・ロサンゼルス)で展示を行事になりました。本プロジェクトは、最先端技術が集まるセッションである「SIGGRAPH Emerging Technologies 2017」において、本年度、世界で最も早く採択が決定したプロジェクトとなりました。
チーム「明るい家族計画」によるプレスリリース
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没入感高く映像空間を体験できるバーチャルリアリティ技術(VR)は、近年エンタテイメント分野を中心に世界的に注目されています。VR赤ちゃんシミュレータ「Real Baby – Real Family」は、世界で最も歴史あるVR作品コンテスト「第24回国際学生対抗VRコンテスト(IVRC2016)」においてファイナリストとなった、神奈川工科大学の情報学部 情報メディア学科および創造工学部 ロボット・メカトロニクス学科3年生によるチーム「明るい家族計画」によって開発された学生中心のプロジェクトです。2016年10月29~30日に日本科学未来館において行われたIVRC2016決勝大会にて、応募100作品中で唯一となる国際賞「Laval Virtual Award」を受賞しました。本受賞によって招待された欧州最大規模のVRフェスティバル・第19回「Laval Virtual 2017」(2017年3月22~26日/フランス・ラヴァル市)において、17,700人の専門家向けおよび一般参加者向けの展示を行いました。さらに、240社の出展者から唯一となる賞として、世界最大かつ44年の歴史を持つCG/インタラクティブ技術の国際会議である「ACM SIGGRAPH」より「ACM SIGGRAPH Award」を受賞し、2017年7月に開催される「SIGGRAPH 2017」(アメリカ・ロサンゼルス)で展示を行うことが決定しました。本プロジェクトは、最先端技術が集まるセッションである「SIGGRAPH Emerging Technologies 2017」において、本年度、世界で最も早く採択が決定したプロジェクトとなりました。
本プロジェクトは、学生コンテストが終了したのち、現在神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科 白井暁彦准教授の指導の下、VRエンタテイメントの新しい市場を拡張する研究として基礎研究及び開発が続けられています。
ディープラーニングを使った顔画像処理により体験者自身の顔画像を元に3D空間で自身の顔の特徴を持った赤ちゃんに出会うことが可能です。この赤ちゃんはシンプルな人工知能により、泣く、笑う、見つめるなどの体験者に対する反応を示し、体験者は視覚・聴覚・触覚をフルに使い、赤ちゃんが人々に与える影響をVR空間上で短時間に体験することが可能になっています。このVRならではの体験を通して、出産や育児について前向きに考える機会を与える設計が評価されています。
国内および国際展示において得られた経験として、「VR赤ちゃん」はただの人形や映像と異なり「感情に訴える」という映像中心の既存VRから、「感情の設計」という新たな可能性を探求しており、幅広い体験者に影響を及ぼす可能性が評価されています。また日本の少子高齢化問題は世界から注目されており、出産経験のない若い情報メディア分野の学生が先端技術を使い、自らVR作品を開発して社会にアプローチしている点も評価されています。様々な国や文化圏の体験者より入手したフィードバックから、子供を産むことについてシリアスに考えづらい若者に向けた「おもしろい体験を通したシミュレーション」,「育児エンタテイメント」といったカジュアルなゲーミフィケーション効果が確認されており、近い将来、商業化が期待されています。ショッピングモールやデートスポットなどにおけるプリントシール機感覚の若者向けエンタテイメントVR体験を提供し、少子高齢化問題へアプローチするための新規サービスや商品提案・市場開拓の手がかりとなるマーケットリサーチ及び啓蒙を行うツールとして、様々な企業とコラボレーションを行い、生きたフィールドデータを取得しています。
2017年4月29日にはニコニコ超会議での展示もあります。
ニコニコ超会議2017「JapanVR Fest.」ゾーン(Hall 9)において公開実験を行います。